ランニング歴半年の47才です。
フルマラソンはまだ未経験ですが、ハーフマラソンを1時間50分ぐらいで走れるようになりました。 しかし、最近5km以上走ると左膝の外側が痛くなります。
心配になり整形外科で診てもらうと、診断名は思っていた通りランナー膝でした。アイシングをしっかりやって走り方を変えてみたら?と言われて湿布を処方されてきました。
さらにマッサージに行き、よく足をマッサージしたり、何日か休むと良くなるのですが、ちょっとハードに走るとすぐに痛くなります。 レース中などに痛くなると歩くしかないのですが、何かお勧めのレース中のマッサージかストレッチがありましたら教えて下さい。
思いっきり走れないのはとても辛いですよね。私も高校生の頃膝を痛めました。部活がバレーボールだったので、ジャンプも出来ないしレシーブも腰を落とせないしと散々でした。
レース中のマッサージやストレッチですが、残念ながらそういうものはないです。痛みを紛らわす方法はありますがあまりお勧めはしません。
それよりもそんな状態でだましだまし走り続けているといつまでも治りません。ですのでお辛いでしょうが、しっかり治してからレースに参加された方がいいです。
腸脛靱帯炎
腸脛靱帯炎はランニングによる膝障害の代表です。
原因は膝の屈伸運動を繰り返すことによって腸脛靱帯が大腿骨外顆〈ひざの外側〉と接触(こすれる)して炎症(滑膜炎)を起こし、疼痛が発生します。
特にマラソンなどの長距離ランナーに好発します(ほかにバスケットボール、水泳、自転車、エアロビクス、バレエ等)。
発生の要因はオーバーユースです。
- 過剰なランニング時間と距離
- 柔軟性不足(ウォームアップ不足)
- 休養不足
- 硬い路面や下り坂
- 硬いシューズ
- 下肢アライメント(内反膝)
- Knee-out Toe-in
- 誤った体の使い方
など、さまざまな要因が加味されています。
腸脛靱帯炎(ランナー膝)の治し方
腸脛靱帯炎(ランナー膝)を治すのはとても単純です。腸脛靭帯にかかる圧力を可能な限り減らすことです。圧力が減った時から2~6週間すると腸脛靭帯は修復されます。
ですが、問題は再発ですよね。せっかく腸脛靭帯が修復されてもまた同じ圧をかけ続ければまた治療の初めに戻ってしまいます。そのために大事なことがフォームの改良と言われていますが、それだけでは50点です。
正しくは「自然と良いフォームになるように筋力や骨格のバランスを整える」ことです。
骨盤や体幹部の前額面上の動きに異常があるとITBS(腸脛靭帯炎) の発症へと繋がる。
そのため、股関節外転筋や腰方形筋の筋力強化トレーニングや筋機能の再学習は運動中の ITB(腸脛靭帯) への負担を軽減させる目的で実施される。
中殿筋などの股関節外転筋力が向上すると、膝関節内反モーメントが減少することや痛みがなく走れる距離が増加することが報告されている。
中殿筋や腰方形筋の筋力強化によるランニング時の膝関節の内反角度が減少するに従い ITB(腸脛靭帯) が伸張されなくなるため ITB(腸脛靭帯) の緊張も減少する。
腸脛靭帯炎発症のリスクファクターは「身体的要因」と「トレーニング要因」に分けられます。身体的要因としては内反膝、左右の脚長差、足部の傾きなどといわれています。
トレーニング要因は休養不足、硬い路面や下り坂、硬いシューズなどです。そういったことを総合的に評価をして体のバランスを整えたり、トレーニング環境を改善する必要があります。
整形外科に勤務していた頃は運動生理学や関節の機能解剖学、スポーツ心理学にもとづいてこれらを評価し、治療に当たっていました。
体やトレーニング環境の問題点を指摘し、それを改善していただき、それでも改善しなければ別の問題をあぶり出し、それを改善していただくといったことの繰り返しです。こうした地道なことが改善につながります。
アライメントとは
アライメントとは、骨・関節の配列のことで、骨の並び、骨の形のことです。身近な例で言えば、O脚、X脚、扁平足などの形態上の特徴を表すものです。
人体の構造は真っ直ぐではなく、彎曲とねじれが存在します。この彎曲とねじれの度合いが強いと医学的に問題となり、運動効率を低下させ、特にスポーツ傷害発生との関連も大きくなります。
従って、ランニングのような単純で負荷的に軽い運動でも、アライメント上の異常があると、同じ動作を繰り返し行うことによってストレスの積み重ねが生じ、傷害を引き起こすことになります。
また、もともと骨格のねじれや彎曲があれば、急激なストップ、ターンや転倒、相手のタックルなどの際に、関節に不利な肢位で負荷がかかりやすく外傷を起こしやすい。つまり、構造的にも外力に対して壊れやすく、突発的な外傷発生機転において大きな外傷につながるケースが多いと言えます。
アライメントの評価は、特にスポーツ傷害の発生要因の1つとして、スポーツ活動において不利益となる骨・関節の配列や形態の異常をチェックし、選手個々の身体的な特徴を把握する材料として重要です。
ウインドウィローが出来る事
骨・関節のアライメントが正常であっても、誤った動作によって関節のねじれや着地衝撃が大きくなったり、運動効率が悪くなって傷害につながる可能性は大きいです。従って、静的な骨・関節の形態(配列)を評価するとともに、運動時の関節運動の連関を分析しつつ、正しい動き、使い方をも評価する必要があります。
スポーツを今後長く高いレベルで続けていくには、いかに効率よく体を使うかにかかっています。無駄な力みのある非効率な体の使い方をすることによって、ケガをしやすくなり、パフォーマンス力も低下してしまいます。
ウインドウィローでは手技で体を緩め、体幹を強くし、更に効率よく体を使うコツを懇切丁寧にお伝えいたします。