ダンスにおけるオーバーユース障害
ジャズダンス バレエ YOSAKOIと週に4日レッスンをしています。先日まで ダンスの発表会で本当に毎日レッスン(1日4Hくらい)を 2ヶ月くらい続けていました。
そのせいか?ひざに痛みがきて スポーツ医学に詳しいと評判の病院に行きました。MRIとった結果滑膜ひだ障害らしいといわれました。
先生は痛みが激しいときは ステロイドの注射をうちダンスなどのレッスンは痛くない程度にやってもいい!自分で加減しながら続けてて良いと・・・それで1ヶ月たっても かなり痛みがあるようなら内視鏡でひざを見てみる、必要なら手術・・・という説明でした。
将来は、ダンスのインストラクターなどダンスに関わるお仕事をしたいと思っていますのでアドバイスをお願いいたします。
1.先生はレッスンしても良いといいましたが 本人はストレッチも痛い というので1ヶ月レッスンお休みしたほうが良いですか?
2.最悪手術となった場合 その後ダンスなどに影響有りますか?
3.太ももなどの筋肉をつけた方が良いとあったのですが、何か良いトレーニングやストレッチなどありますか?
4.今後レッスンで気をつけることありますか?
5.ステロイドの注射はどのようなものでしょうか?
好きなものにそれだけ打ち込めることができて素敵ですね
>1ヶ月レッスンお休みしたほうが良いですか?
痛みがあるうちはお休みした方がいいです。 私は一時間ランニングが出来て、本気でジャンプをしても全く痛くなくなるまでは無理しないように伝えています。将来ダンスを職業にしたいのであれば、体を休めることを覚えた方がいいです。
>最悪手術となった場合 その後ダンスなどに影響有りますか?
約50%の方はもともと「滑膜ひだ」はないので、とくに無くても問題はないと思いますが、やはり手術ですのでなんらかのリスクはあります。主治医とよく相談してください。
>太ももなどの筋肉をつけた方が良いとあったのですが、何か良いトレーニングやストレッチなどありますか?
「滑膜ひだ」を大腿骨と膝のお皿で挟んだ状態で膝を動かすために、滑膜ひだに負担がかかります。
大腿骨とお皿の挟む力は体重60kgの人がしゃがみこむ場合(曲げた角度35度の時)、420kgにもなるそうです。ですので頻回に膝を深く曲げないことが大前提です。
膝を伸ばす筋肉(大腿四頭筋)は特に鍛えておいた方がいいと思います。
ここが強いと膝を曲げるときにクッションになってくれます。ただし、力が入りすぎていたり、ストレッチが少ないと、逆に大腿骨とお皿の挟む力を強めてしまいます。
またこれらのトレーニングは姿勢がとても大事です。間違った姿勢でやると逆に悪化させてしまいます。自己流でやられるよりも、しっかりと指導をうけたほうが安全です。
>今後レッスンで気をつけることありますか?
リラックスすることです。体のどこかに少しでも力みがあると怪我をしやすくなります。
>ステロイドの注射はどのようなものでしょうか?
ステロイド薬(関節注射)は強力な抗炎症剤です。除痛にとても効果がある反面、副作用があります。
一般的には、ステロイド注射薬の局所投与は、同じ箇所には年間に2回程度、そしてステロイドを加えた注射は3ヶ月に1回以上行ってはいけないとされていますので、医師が使用するべき症状かを見極めて、用法のルールを徹底していることが重要になります。
ただし、何度も繰り返すとかえって軟骨を痛めるおそれがあるので最低3ヵ月以上の間隔をおく必要があります。また1年に計2回までとしています。
関節内にステロイド剤を注射することをよく思っていない先生も特に日本は多いのですが、上記の3ヵ月、年2回というルールを守れば、軟骨や骨に害がなく効果の高いことが、欧米の臨床比較試験で証明されており、むこうではスタンダードな治療になっています。
医療法人社団SEASONS 東京リウマチクリニック : 膝関節の関節注射
そんなに頻回に注射はできないので、まずは痛みが出る動作を控えて、膝に影響のでない振付やトレーニングを行うほうがいいと思います。
滑膜ひだ(タナ)障害とは
症状
思春期から青年期にまれに発症します。お膝の内側を押すと痛みがあります。膝を思いっきり伸ばすと内側に痛みがあり、階段などで急に引っかかったり、膝を曲げ伸ばしする度にクリック感があります。診察のみでの診断は難しく、確定診断にはMRI検査や関節鏡検査が必須です。
オーバーユースが原因
滑膜ひだは生まれつき約50%の人に存在するといわれていますが、これが膝のお皿の骨と太ももの骨の間に挟まり、スポーツ活動などが誘因となって膝曲げ伸ばし時に引っかかり感や痛み生じる場合があります。
オーバーユース障害の発生要因
- 筋肉の緊張が強いなどの身体要因
- シューズや路面などの環境要因
- 原因動作の量や質に関わるトレーニング要因
これらの要因を改善することが障害予防につながります。
一般的な治療
消炎鎮痛剤を服用し、温熱療法、ストレッチ、太ももの筋力の強化訓練をします。これらの治療で軽快しないものは関節鏡でタナを確認し、切除します。
ダンサーに多い膝痛
ダンサーに多い膝痛には体の使い方の問題や体の構造の問題が隠れています。もしそういった問題を改善させずに、十分な休息をとらず走り続けると様々な膝の障害を起こしてしまう場合もあります。
「衝撃吸収(クッション)能力の低下」
「全身の体の使い方や意識」に問題があり、「姿勢」が崩れ、「体の力み」が生じ、それが脚の機能を低下させ、不完全なクッション機能により、負担がある筋肉の一部に集中したために起こると考えられます。
また、不完全なクッション機能により、跳んだり着地した時の衝撃を上手く吸収できず、それが少しずつ蓄積されることにより、オーバーユース障害を引き起こすのです。
休養と衝撃吸収力のトレーニングを行うことです。衝撃吸収力をあげるためには体を正しく使えるようになる必要があります。
休養はあくまで痛めている部位の動きだけです。それ以外の上半身、体幹、股関節などのトレーニングや、力まない為の意識の訓練などは積極的に行うことが重要です。
マルアライメントの改善
非接触型の受傷原因としてマルアライメントが大きく関わっていることがわかっています。『マルアライメント』とは正常時と比較して逸脱した関節の配列のことをいいます。 代表的なものが『knee-in-toe-out』というつま先が外を向いて、膝が内に入っている姿勢です。
この姿勢でダンスを続けていると前十字靭帯や内側側副靭帯、内側半月板を同時に損傷するリスクが高くなります。この状態を『不幸の三徴候(アンハッピー・トライアド)』といい予後も悪くなる傾向にあります。
ダンサーの方に対してウィンドウィローが出来る事
ダンスを今後長く高いレベルで続けていくには、いかに効率よく体を使うかにかかっています。無駄な力みのある非効率な体の使い方をすることによって、ケガをしやすくなり、パフォーマンス力も低下してしまいます。
ウィンドウィローでは手技で体を緩め、体幹を強くし、更に効率よく体を使うコツを懇切丁寧にお伝えします。