コーチに体が硬いとの指摘を受けました。だからドリブル突破が出来ないとのことでした。サッカーにおいて(スポーツ全般にも言えることなのかもしれませんが)体が硬い名選手というのは生まれない物なんでしょうか?
そんなことないですよ、前屈で床に手が届かないぐらい体の硬いプロスポーツ選手(スポーツ全般)は結構多いです。
>だからドリブル突破が出来ない
必ずしも体が硬いためにドリブル突破が出来ないということはないです。
ただ、すごくややこしいのが、このコーチの思う体の硬さが、単に「柔軟体操の硬さ」なのか、それとも「動きが硬い」といっているかで話が変わってきます。
ドリブル突破に重要なのは「動きの柔らかさ」です。
当たり負けしない「竹のようなしなやかさ」と、カラダを自由に変形させられる、力みのない「ダンサーのような柔らかさ」です。
これに柔軟体操の軟らかさが加わると可動範囲が広くなるため、ボールに足が届きやすくなったりしますが、そのかわりにケガをしやすくなります。
それを予防するためにも柔らかくて弾力のある筋肉をつける必要があります。そういった筋肉はダッシュ力やジャンプ力といった運動能力も向上させてくれるためとても大事です。
サッカーにおいて必要な技術
サッカーに必要な体力要素は多岐にわたります。競技中にはダッシュやストップ、方向転換、ジャンプなどの動作を相手と競いながら行うため、持久力、瞬発力(スピード)、俊敏性(アジリティ)、筋力、バランス能力などが求められます。
相手との接触が多いことから倒れないための筋力やバランス能力も重要で、これは怪我をしないためにも必要な要素と言えます。
サッカーの上達に必要な意識
ボールを強く蹴りたい、遠くに飛ばしたいという気持ちが先行してしまい体のいろんなところに無駄な力が入り、本来の実力を発揮できなかった…という経験をした方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ボールを蹴る時に、体や特に「蹴る足」に最初から力が入った状態だと足の「しなり」を利用した蹴り方ができないのです。いかにリラックスした状態でボールをコントロールするかが重要です。
サッカートップレベルの選手がインステップキックをした際の蹴り足の各関節の速度を分析すると、股関節の速度のピークの次にひざの速度のピーク、そして足首の速度のピークとなり、ボールをインパクトしています。これは投球動作でのエネルギーの伝達と同じで、多くの関節の運動のつながりにより、けり足(投球では手)の速度を飛躍的に向上させています。そのつながりを邪魔しないためにも身体に余計な力を込めてはいけないのです。
スポーツ動作においても,未熟練者は熟練者よりも力を上手く抜くことが困難であることや,緊張によって過剰に力を入れてしまう場面がよくみられる
サッカーのトラップ勤作の一つであるクッションコントロール時で、は,パフォーマンス上位群のほうが下位群よりも低い筋出力レベルで動作を行っており,下位群は,力を減少しきれずに不必要な力を出し過ぎる傾向があった
『力の抜き』のレベルが出力調整に及ぼす影響 :大高千明・藤原素子:奈良女子大学スポーツ科学研究(PDEファイル)
上半身を効果的に使う
サッカーのトップレベルの選手がフルスウィングでボールを蹴ると、そのボールスピードは時速100㎞以上にもなります。その速度を生む運動エネルギーは非常に大きく、足の筋力だけでは不十分であり、上半身の効果的な動きがキックのパワーに重要です。その為には肩に力を入れず、腕をムチのように使う必要があります。言うのは簡単ですが、どのスポーツにおいてもこれがなかなか難しいです。ウインドウィローでは最短で出来るようにお手伝い致します。
「ありえない」フリーキック:サッカーの物理
1997年、ブラジルのサッカープレイヤーであるロベルト・カルロスは、ゴールまで、直線的に入るコースのない35メートルのフリーキックの準備をしていました。カルロスのシュートはプレイヤーの外側を抜け、ラインを割る直前で左側に曲がってネットに吸い込まれたのです。彼は何をしたのでしょうか?下の動画ではサッカーの歴史で最も素晴らしいゴールの一つであるこのフリーキックの物理法則を説明しています。
※ご視聴の際は、音声が出ますのでご注意下さい。
サッカーで障害を受けやすい部位
サッカーでは足関節捻挫、膝関節の内側側副靭帯や前十字靭帯の損傷、グロインペイン症候群など多いです。
足関節捻挫
足首を内側に捻ることにより生じ、足首の外側の靭帯が損傷します。足関節捻挫は方向転換時やストップ動作時、下腿の内側をタックルされた際に生じす。
足関節捻挫の予防には、ふくらはぎのストレッチやバランストレーニング、足首周りの筋力の向上が有効です。
膝の内側側副靭帯損傷
膝の外側からタックルを受けて損傷することが多いケガです。とても痛いケガですが、ほとんどの場合、膝のサポーターやテーピングによって自然に治ります。
初期の治療が大切で、不適切な処置では不安定感が残存することもあります
前十字靭帯の損傷
膝を伸ばす筋肉である大腿四頭筋が大きく働く動作や膝を捻った時に生じる場合(非接触型損傷)などがあります。
非接触型の膝前十字靭帯損傷は女性の方が男性よりも数倍発生頻度が高く、ジャンプの着地動作や方向転換動作で発生しやすいことが示されています。
受傷時には膝が内側に入ってしまうことにより生じることが多いです。
下肢を真っすぐに保ち、膝をつま先の真上に置き、やわらかく着地するといった、正しい姿勢と良い身体のコントロールギ技術を磨く必要が有ります。
グロインペイン症候群
他の競技と比べサッカー選手に多く見られ、一度なると治りにくいのが特徴です。
体幹から股関節周辺の筋や関節の柔軟性(可動性)の低下による拘縮や骨盤を支える筋力(安定性)低下による不安定性、体幹と下肢の動きが効果的に連動すること(協調性)が出来ず不自然な使い方によって、これらの機能が低下し、痛みと機能障害の悪循環が生じて症状が慢性化していきます。
何らかの原因で可動性、安定性、協調性に問題が生じたまま、無理にプレーを続けると、体幹から股関節周辺の機能障害が生じやすくなります。
治療には可動性、安定性、協調性の問題を評価し、それを修正するアスレチックリハビリテーションを行います。マッサージ、筋力訓練、協調運動訓練などが基本です。
筋肉のアンバランスを整える
サッカーのプロ選手のトレーニングは、一見するとあまりかたよっているように見えないです。それでも、プロの場合何年にも渡って大体規則的に1日に2回はトレーニングがあるため、同じフォームのトレーニング負荷を常に反復してかけ続けることになります。そうなると、動きはいくら多様であっても、それらが蓄積されれば確実にかたよってくることになります。
常に同じ動きを何度も何度も繰り返すことで、脊柱や股関節、ひざ関節などに圧迫、牽引力、捻り、せん断力といった負荷が繰り返しかかります。人間の身体は驚くべき適応能力を持っていて、ある程度の負荷がかかっても長い間持ちこたえることが出来ます。ですがある日、その限度をわずかに超えてしまうことで、それまでトレーニング刺激に対しポジティブな適応をしていたものが、そのバランスが崩れ、ネガティブな反応が起こるようになります。
このようなネガティブな適応が現れ始める兆候となるのが、いわゆる筋のアンバランス、関節と筋の関係のバランスの崩れです。バランスが崩れると以下の点に影響が出ます。
- 筋力
- 伸展および緊張緩和能力
- 個々の筋および筋群の神経コントロール
サッカーの特徴として、シュートやランニングのトレーニングでは、伸筋の筋力が屈筋よりも強く要求されます。コンディショニングトレーニングにおいても、伸筋の方がより積極的にトレーニングされています。なぜならこれが脚の筋の中でも特に重要な「パフォーマンスの担い手」 になるからです。シュート力やダッシュのスピードは、この筋群の筋力に頼っています。そしてその筋力を最大限有効に使う方法が筋緊張の緩和(脱力)なのです。
サッカー選手のために沖縄ウインドウィローが出来る事
サッカーを今後長く高いレベルで続けていくには、いかに効率よく体を使うかにかかっています。無駄な力みのある非効率な体の使い方をすることによって、ケガをしやすくなり、パフォーマンス力も低下してしまいます。
ストレッチを行ったあとは、自重での体幹メニューだったり、立位でチューブを使った軸を意識したトレーニングだったり、不安定下で上肢を動かすなど自分の身体をうまくコントロールするためのトレーニングを取り入れます。
その後、スラロームポールやラダーといった道具を使って、足の運び方や拇指球加重といった身体の使い方を実践します。
第8回「トレーナーから選手たちに何を教え、伝えるか?」関 智久(川崎フロンターレ U-18トレーナー)
ウインドウィローでは手技で体を緩め、体幹を強くし、更に効率よく体を使うコツを懇切丁寧にお伝えいたします。